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2009年11月の総合研修会は21日(土)に開催されました(研修会は18:00~20:00、懇親会は20:00~)。参加者人数は、研修会が17名(ゲスト1名)、懇親会が15名(ゲスト1名)でした。
総合研修会のテーマは「中小企業への提言」で、海蔵三郎氏、星川忠男氏による講演でした。
第1部:「中小企業の人材教育」
海蔵三郎氏
中小企業診断士、パナソニックラーニングシステムズ株式会社
第2部:「大阪発・元気な中小企業、その秘密をさぐる」
星川忠男氏
IT百選アドバイザー・クラブ副理事長、株式会社JIEC社
以下はメーリングリストの案内より
講演要旨
中小企業を取り巻く昨今の厳しい経営環境の中で、企業を維持し成長させるためには、経営革新が必要であり、その革新を支える人材の育成と、情報技術(IT)の活用が重要です。
11月の例会は、「中小企業への提言」というテーマのもとに、中小企業の経営革新を支援する経営コンサルタント向けに2人の会員に講演していただきます。
第1部では、中小企業の人材育成体系および経営戦略を具現化するための手法・P2Mを活用した人材育成手法について、プロジェクトマネジメントスペシャリストとして活躍されている海蔵三郎氏に講演していただきます。
第2部では、ITを経営に活用して優れた実績をあげ、関西IT百撰の最優秀および優秀企業に選定された64社の中から、業種、企業規模に拘らず、ユニークなビジネスモデルを構築され、業績をあげられている企業をIT百選アドバイザークラブ副理事長の星川忠男氏にご紹介いただきます。
事務局 向出康志
テーマ:効率よくロングテールを捕まえるサーチエンジン・マーケティング
1..SEOと有料リスティングサービス
検索エンジンにはYahoo、Google、MSN、excite、BIGLOBE、gooなどさまざまな種類があり、それぞれ独自の「アルゴリズム」と呼ばれる高度なプログラムによってWebサイトを評価し、検索結果の表示順位を決定している。
このアルゴリズムに高く評価してもらえるようにWebサイトを最適化することで、目的とするキーワードで自社のWebサイトを検索結果の2ページ目(上位20位)以内に表示できるようになる。これがSEO(検索エンジン最適化)と呼ばれる技術。
一方、有料リスティングサービスとは、検索エンジンの検索結果ページに有料でテキスト広告を表示するサービス。
リスティング事業者に料金を払ってキーワードを登録すると、大手ポータルサイトなどからそのキーワードで検索したときに、検索結果の上位ページに「スポンサーサイト」などと題して自社サイトの広告が表示される。的確なキーワードを設定することにより、サイトへのアクセス数を増やすことができる。
PPC広告と呼ばれ、Yahoo!社のOvertureやGoogle社の「Ad Words」(アドワーズ)「AdSence 」(アドセンス)などがある。
2 SEMのメリット
(1)キーワードに関心のあるユーザーが訪れる
インターネットで情報収集することは日常化しており、インターネットユーザーの80%はYahoo! や Google などの検索エンジンを利用して情報を探している。
このように、検索エンジンユーザーの数は非常に多く、このトラフィック(アクセス)を獲得することで、インターネット上におけるWebプロモーションを非常に有利に展開することができる。
(2)検索結果の2ページ目までに表示される
検索エンジンで情報を検索すると、検索結果には膨大な数のホームページがヒットする。
しかし、何千件、何万件とヒットする全てを見ることはほぼ不可能。
実際に、検索エンジンユーザーの70%は、検索結果の2ページ目(上位20位)までしか見ていない。つまり、自社のホームページを見てもらうためには、検索結果の2ページ目(上位20位)以内に表示(上位表示)されている必要がある 。
(2).見込み客を効果的に絞り込める
検索エンジンに打ち込む「キーワード」は、ユーザーの関心そのものを示している。SEMを導入し、ターゲットユーザー(見込み客)が使用しそうな「検索キーワード」の検索結果でホームページを上位表示することで、商品やサービスに興味を持っている潜在顧客を効率よく集客できる。
(3)コンバージョン率(成約・購買率)が高い
検索エンジン経由のユーザーは自分の意志で能動的にホームページを訪問しており、しかも訪問して来た時点で関心があるユーザーに選別されている。
このため、成約や購買につながる確率(コンバージョン率)は非常に高く、バナー広告の5倍以上にもなるという調査結果もある。
(4)インターネットでのブランドを形成できる
ユーザーの80%は、検索エンジンで上位表示されているホームページ(企業)に好印象を持っており、上位表示されている企業をその業界の主要な企業として認識する傾向がある。
業界における重要なキーワードで検索エンジンの上位表示を確保することは、強力なブランディング効果があり、絶対的競争優位を築くことができる。
3.PPC広告の損益分岐点
(1)広告料金の仕組み
キーワードの選定、広告の作成、入札価格や予算の設定など、スポンサードサーチ広告の掲載に必要な設定をすべて広告主自身で行った場合の料金は、初期費用はゼロ、初めにディポジットとして支払った3,000円からクリック数に応じてキーワード入札額のみ課金され、ディポジットがなくなった時点で広告掲載は終了する。キーワード入札額は1~9,999円の範囲で設定される。
実際には、クリックあたりの最低金額は、キーワードの品質スコアに基づいて決定。キーワードの品質スコアが落ちると広告は掲載されなくなる。品質スコアはキーワードのクリック率・過去の掲載結果、広告テキストの関連性などに関する要因に基づいて決定される。掲載順位は、品質スコアとキーワード入札額で決定されるので、入札額をいくらにするかがポイントになる。
(2)損益分岐点
損益分岐点はキーワードの入札価格(1クリック当りの広告費)とコンバージョン率(広告主のWebサイト訪問者が購入する率)の関係で決まる。
例えば、1クリック当りの広告費を40円、コンバージョン率を5%(20人に1人が実際に商品を購入する)とすると、40円の20倍である800円が新規顧客に1商品を販売するための広告宣伝費になる。
販売価格4,000円、粗利率40%の商品を売った場合、粗利1,600円から広告宣伝費の800円を引いても残り800円の利益を確保できる。
この商品の場合は、1クリック当りの広告費80円が損益分岐点となる。つまり「損益分岐点=粗利益額×コンバージョン率」となる。
4.キーワードとロングテール
ロングテールの考え方を、検索エンジンマーケティングに当てはめてみよう。
図の灰色の領域は、メインストリームを意味している。この領域では、ブランド名やその商品を検索する際に一般的に使われるような類の検索キーワード(例えば、グルメ、酒)が用いられ、右側の領域よりもずっと大きなトラフィックがある。しかしこの領域は、他のサイトも同じ検索キーワードを利用したりするから、キーワードの競合が生じることが多い。
一方右側の黒い領域に入ると、キーワードの数がどんどん増えていくため、右に行けば行くほど黒い領域の面積も大きくなっていき、灰色の領域よりも面積が大きくなってしまうこともある。つまりこれがロングテールである。
右に引っ張れば引っ張るほど、サイトへのトラフィックも大きくしていくことが可能なのである。
OvertureなどのPPCビジネスは、このロングテールの考え方をうまく利用している。グラフ上で右に行けば行くほど、キーワードの落札金額も安くなっていく。
広告主は、ユニークなキーワード(例えば、春の緑黄野菜、チリ産ワイン)を沢山登録することで、安い値段で恐竜の尻尾をうまく利用することができる。
1. キーワードがより具体的で、ライバルサイトが少ない。
2. 検索者のニーズも具体的で、購買意欲の高い人が多く含まれる。
つまり、低いコストでコンバージョン率を高めることが可能となる。
中川嘉夫 記
テーマ:最近のWebマーケティングについて
講 師:株式会社ファーストブランド 代表取締役 河本扶美子氏
多額の広告宣伝費を出せない中小企業にとっては、Webの活用こそ、コストをかけずに効率よく顧客を増やすマーケティングの要諦であり、第1回目のマーケティング研究会ではその体系を勉強しました。第2回目は Webマーケティングの専門家である河本 扶美子氏を招いて情報システム部会と合同でWEBの現状とその将来的な展望について、事実に基づく予測を交えながら実践的なお話をしていただきました。
新地のお店となるとまず一杯というイメージになりますが、小部屋で尚かつアルコール抜きで、河本先生の話に耳目を傾けました。
1.ファーストブランドの紹介
資本金1億3150万円、2002年6月3日設立、インターネットサービス(WEBブランディング)事業
*詳細は http://www.firstbrand.co.jp/ を閲覧されたし。
2.WEBマーケティングを取り巻く環境
マスメディア接触率の変化
ネット接続以外のメディアの接触率が下がっている。
ハードディスク視聴でどれだけテレビCMをスキップしていますか、という調査では、少し古く約2年前のものであるがが、それでも80%以上スキップする人が6割にも達しており、CM効果は減少している。
消費者のメディア接触変化
インターネットの伸張により、マスメディア以外のチャンネルが増えただけでなく、WEB特有の双方向性を利用して、今までに無い企業と消費者の関係が構築されている。
企業から提供される情報を消費者が待つという状況から、消費者が自分に必要な企業の情報を選択するという状況へと変化した。
3.WEBマーケティングの様々な手法について
・クロスメディア
クロスメディアマーケティングとは、TVCM、ちらし、新聞、雑誌広告、WEBサイトなど様々なメディアを複合的に利用することによって相乗効果を生み出し、単体での広告活動よりも高い効果を狙うマーケティング方法のことを言う。
ZARDデビュー15周年記念ベストアルバムを発売したときの事例全曲のQRコードが刷り込まれた2連版の新聞広告を掲載。2連版の新聞広告を掲載。事前に新聞広告を見るようにテレビCM、WEB等で告知したことにより、掲載当日数十万件のアクセスを記録した。
*ZARD1990年代に女性ボーカルとしては最も多くのCD売上げ枚数を記録した(オリコン調べによる)、この時代の日本のポピュラー音楽を代表する人気グループの一つである。先年(2007年5月)坂井泉水がなくなった。
ランディングページ最適化と検索連動型広告
LPO(ランディングページ最適化)×SEM(検索連動型広告)
*LPOとはサイト訪問者が一番最初に目にする大事なページ。
検索エンジンからサイトに訪れたユーザーは、8秒以内に半数以上がランディングページから立ち去ってしまう、というデータがある。
* 検索連動型広告とは、検索結果画面に自社の広告を表示することで、自社Webサイトのアクセスと成果のアップを狙う注目の広告手法。
ロングテールを意識して、投網的キーワードを用いて検索連動型広告を採用。
投網的キーワードの受け皿になるためのランディングページは、さまざまなキーワードと商品を単に並べただけのページになってしまい、利用者は目的のキーワードにたどりつくのに時間がかかり、離脱する。
例 日本酒→おいしいお酒→ 「注文」にたどりつくまでに時間がかかりすぎると離脱する。
口コミマーケティング
口コミマーケティングというものは、昔から存在していた。例えば、テレビCMにおける面白CMなどはその代表事例であり、子供たちを中心にその名のとおり口コミで伝わることを期待して作っていた。テレビを中心として人対人を通じての口コミのため、拡散には時間がかかっていた。
WEBマーケティングでの口コミは、拡散のスピードが速く、かつそのための費用も少なくてむため一時期非常に研究され、使用されてきた。ただ、口コミの本質は思わずしゃべりたくなるのでなければならず、これを意図的に起こすことのリスクは考えられておらず、やらせが頻発した。
モバイルマーケティング
これからのWEBマーケティングは、モバイルがその主流になることは間違いないと思われる。
パケット定額制加入者のうち26%が、「パソコンではインターネットはしない」、つまり携帯でのみインターネットを利用すると回答している。
GREE,モバゲーTOWN、モバイルミクシィという最も利用者の多いモバイルサイトである。これらは無料ゲームとSNSを組み込んだサービスになっており、広告収入とアバターなどの利用に対するユーザー課金が主な収益源になっている。
たとえばGREEは月間100億PVを数えるそうである。
デジタルサイネージ
公共施設や店舗などに設置したディスプレイに映像や情報を表示する仕組みを「デジタルサイネージ(電子看板)」と呼び、新しいコミュニケーションのかたちとして注目されている。
デジタルサイネージについてはテレビCMのように不特定多数に同じ広告を流すのではなく、設置場所の地域性を考慮した視聴者ターゲットの設定を行い、その特定層に焦点を絞った広告メッセージが発信できるからである。
エリアマーケティング
デジタル技術の進化により、ここ数年地域属性の絞込みがより精緻になってきている。
もともと消費者の購買行動と「地域」は密接に連動している。
WEB上でエリアマーケティングを制することは大きなアドバンテージになっていくと考えられる
4.マイベストプロ神戸
地域メディアとWEBのマッチングによる新規マーケティングの展開
ファーストブランドが展開しているマイベストプロ神戸の"展開イメージ図"の説明を受ける。兵庫県の消費者と事業主(医業、士業など)をWEBサイトを通じてマッチングさせるサービスである。
消費者は神戸新聞をはじめとした多様な地域メディアを通じてWEBサイトに到達し、求めているプロを見つけることができる。地元に対して一番信頼と安心の担保を提供し続けてきた地方新聞社にWEBを通じたエリアマーケティングを仕掛けてもらうサービス。
地方新聞社の強みである明確なエリア、幅広い読者、信頼性、親しみにWEBサイトのマイベストプロの情報量、速報性、更新性を掛け合わせ相乗効果を発揮する画期的な仕組みである。
地方新聞社の強みというのは、地域密着であり、信頼感と安心感がある。
WEBへの消費者の関心が高まった中、新聞社でも、さまざまなWEBへの取り組みが
なされている。そのなかで地域密着のマイクロクライアントを獲得していくマイベストプロは非常に注目を集めている。現在ファーストブランドは神戸から全国へ、順次アライアンスを増やしていっている。
出席者は感覚的にはWebマーケティングの傾向をとらえてはいたが、裏づけのある調査データーや多くの事例は大いに参考となった様子であった。特にマイベストプロ神戸については地方新聞社とWEBがマッチングした新しいサービスの創造につながるものであり、出席者は関心を示し、費用や会員数、今後の展開などについて河本先生に質問。
談論風発
咽も渇きキリの良いところで、いよいよお店からいろいろな豆腐料理が出てくる中、講座に関連したWEBマーケティング及びファーストブランド社の事業展開等で、談論風発、時間を忘れて学習した一夜でした。 河本先生、講座の準備から始まり、遠慮のない質問等にご丁寧に対応していただき有難うございました。これからもよろしくお願い致します。
長谷利男 記