2009年9月24日

9月度 総合研修会(月例会)報告 2009.09.14

テーマ: 「利益を生みだす『環境経営』のすすめ」~サービサイジング:これからのビジネスモデル~
講 師: 立山裕二氏:ココロジー経営研究所代表、環境パートナーシップ協会会長、中小企業診断士
日 時: 2009年9月14日(月) 18:00~20:00
場 所: 大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第二ビル5階)
出席者: 会員17名、ゲスト1名 計18名

 講師の立山裕二さんは、1956年(昭和31年)大阪市に生まれ尼崎市で育ちました。尼崎市はそれまで、戦後の荒廃から立ち上がって急速な経済復興を遂げてきていましたが、昭和30年代から40年代にかけての高度経済成長期には、工場の排煙による大気汚染や排水による水質汚濁など、人々の身体を蝕んで生活を脅かす事態が発生し、市は「公害の町」としての汚名をきせられていました。そうした環境の下で幼少期を過ごした立山さんの環境問題に対する目覚めは早く、小学校5年生の頃といいます。

講演の様子

 講演では先ず、その時分に、立山さんが環境問題に取り組むきっかけかとなった切ない体験を切り出されました。公害に蝕まれた一市民が苦しみに耐えかね血染めの遺書を書き残して自殺を図ったというのです。立山さんが誰よりも強く環境問題に情熱を傾けることになった原点をみました。「これは何とかしなければ」という思いを、ずっと持ち続け、エネルギッシュに活動されてきた一途な姿が脳裏を掠めます。

 次に、1979年に学業を終えた立山さんが、中堅の環境機器メーカーに入社してから在籍期間中、自らの信念を実践して挙げた数々の実績が紹介されました。その後に会社を離れて直ぐに、「ココロジー経営研究所」を創設し、環境問題への取り組みに拍車をかけて今日に到っています。「ココロジー」とは、耳慣れない方が多いと思われますが、「心=ココロ」と「エコロジー」とを合わせた立山さんご自身作の造語です。立山さんのホームページ( http://www.kokorogy.com )には、「心とエコロジーの響き合いを意味する」と記されています。

 文字通りこの日の講演も「心で語る環境経営」そのものでした。心の底から発する立山さんの一言一句が胸に響き、地球温暖化が人類の未来に暗い影を落とすといった悲観的観測や、環境への配慮が経営にマイナスの影響を及ぼすといった縮み思考が吹っ飛んでしまったのは私だけだったでしょうか?
誰もが環境問題に関心を持ち、自分ができる身近なことを手始めに、地道な行動を起こしつづければ、必ずや明るい未来が開けるという気分になってきたから不思議です。

 さて主題の「環境経営とは?」、それは、環境に配慮した経営であるとして、立山さんは次のように定義します。
「①地球上のあらゆる生態系および社会の持続性を確保するために、②循環の原点に立ち、③資源量・廃棄場所・自浄能力という地球の有限性を考慮し、④企業収益の確保と環境保全とを両立させながら、⑤自社にとっての持続性を確保するために行う経営の諸活動である」というものです。

 ここには、とかく受身で応じるような「環境負荷の低減」だけではなく、企業と地球とを持続的に両立させるための能動的な、「環境貢献」や「環境満足」への発想の転換がみられます。

 今回の講演は、立山さんが今年の4月に出版された6冊目の著書「利益を生みだす『環境経営』のすすめ」に詳しく述べられています。この日あいにく都合がつかず、お聴き逃しの方には是非ご一読をお薦めします。

 なお、この著書のほか、立山さんが過去に出版された著書は以下の通りです。あわせてご紹介します。
いずれも総合法令出版で、発行順に、①『だれも教えなかった環境問題』、②『「環境」で強い会社をつくる』③『これで解決! 環境問題』、④『あなたの成長が地球環境を変える!』、 ⑤『目からウロコなエコの授業』の5冊です。

 笑顔がトレードマークの立山さんは、講演歴1700回以上という驚異的経験を積んだ強者です。終始にこやかで、時代を先取りしたユニークな発想と、人の心を捉えて離さない話しぶりに惹き込まれ、2時間ほどがあっという間に過ぎました。定刻がきてしまって質問時間が十分にとれなかった分は、引き続いて場を移して行われた懇親会の席で、立山さんを囲んで大いに盛り上がりました。

 ここまで書き進み、ふと立山さんのホームページに目を移しました。趣味の欄に、「アコースティック・ギター演奏、作詞・作曲・・・」とありました。おそらく立山さんが奏でるギターの音色は、地球に優しく響くことでしょう。次の機会には是非とも、立山さん自作自演のギター演奏を聴いてみたいものですね。

(佐藤徹記)

投稿者 mtcambrs : 2009年9月24日 15:10
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