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テーマ: 中小企業のIT利活用を促進するクラウドコンピューティングの動向・事例
講 師: 光田省三氏(㈱セールスフォース・ドットコム 大阪事業所長)
日 時: 2009年7月23日(木)18:00~20:00
会 場: 総合生涯学習センター(大阪駅前第二ビル5階)
出席者: 会員19名、ゲスト4名 計23名
定刻6時になり、担当の研修委員から、クラウドコンピューティング(ネットの雲の上に置いてあるコンピュータやソフトウェアを、サービスとして利用する。利用者は自分のパソコンにソフトウェアなどを保有する必要がなく、ネット経由で使った分だけ料金を支払う。)は今後益々重要視されるコンセプトあるいはビジネスモデルであると考えられ、MTCAのメンバーにとってもこの分野に強くなる必要があると考えられるので、クラウドコンピューティングのリーディングカンパニーであるセールスフォース・ドットコムの大阪事業所長にご講演をいただくことにしたと、今回の講演についての趣旨説明があった。

講演要旨
光田所長は、元は日本IBMにおられ、入社時の上司が、今夜会場におられる星川さんで、相馬さんともかつて一緒に仕事をされたことがあること、また、次回の月例会で講演される國定さんとは阪神タイガースの応援団仲間であるとの話をされ、まず、会場の雰囲気をリラックスさせて講演に入られた。
講演は大きく4つの部分、すなわちクラウドコンピューティングの動向、Salesforce.comの概要、導入事例、クラウドコンピューティングの考慮点に分けて、デモもまじえてわかりやすくご講演いただいた。
クラウドコンピューティングの動向では、かつてのASP(Application Service Provider)から、最近のSaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、HaaS(Hardware as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)への推移とその理由、そしてそれらを総称してクラウドコンピューティングと呼ばれることが多くなっている。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)やPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)は、1960年代のメインフレームや1980年代のクライアント/サーバの考え方とはどのように異なるのかが説明された。
JTBグループやローソンをはじめ大手企業ではクラウドの採用や注目が広がりつつあるが、中小企業のIT利活用の促進として期待されているJ-SaaS利用の広がりはまだまだこれからだと思われる。セールスフォース・ドットコムが関係している導入事例として、7月から運用開始されているエコポイントに関するシステムや郵便局の「お客様の声」管理システム、さらにはオバマ大統領が国民の声を収集するために期間限定で構築された「CHANGE.GOV」のサイト、そして導入コストは従来型システムの半分、導入期間はたったの2週間であったとされる甲府市の定額給付金システム事例などが紹介された。
クラウドコンピューティングの考慮点として、セキュリティが問題点として取り上げられることがあるが、金融機関も認める世界最高水準のセキュリティ対策が取られていて、99.95%以上の稼動実績、情報漏えい無事故を誇っていること、マルチテナントセキュリティ、すなわち、お客様のデータおよびメタデータは、お客様ごとにパーティショニングされた仮想プライベートデータベースに格納されていて、アプリケーションからセキュアにアクセスされることなどが説明された。さらに考慮点として、障害・災害対策、サービスレベル、SaaSベンダーの倒産、柔軟性・将来性・システム連携などについても触れられ、最後に従来型システムとの比較によるトータルコストの有利さについて説明された。
質疑応答では、経済産業省が力を入れているJ-SaaSを今後日本の中小企業に広く普及させるためには、SaaSやクラウドコンピューティングのみならず、ITに関する関心をさらに高める努力が必要なのではないか、クラウドコンピューティングはどちらかといえばハイトランザクション向きではなく、たとえば在庫管理やSCMなどの分野などはあまり得意といえないのではないか等の興味深い議論がなされた。
宇井徹雄 記