2009年5月29日

09_5のマーケティング部会報告 

コンサルタントのためのマーケティング戦略
マーケティング部会長  中川 嘉夫

はじめに
09年度第1回目のマーケティング部会は、メンバー登録制という新制度の下、5月27日にコンサルタントのためのマーケティング戦略「コストをかけずに効率よく顧客を増やす」にはというテーマで開催しました。
 登録会員は10名(うち2名はMTCA非会員)、出席5名で開催しました。

 私(中川)は、61歳の時に経営コンサルタント事務所・セイム研究所を開設しましたが、この10年間で最も多く相談を受けたのが今日のテーマである「コストをかけずに効率よく顧客(売上)を増やすにはどうすればよいか」ということです。
 私は、マーケティング戦略の基本である「4PとTCP」をフレームワークとして、その回答を考えます。

1.4PとTCP
4Pとは、Product(商品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(促進)です。
 マスマーケティング時代の4Pは
●いかに大量に作るか
●いかに安く提供するか
●いかに多くのチャネルを作るか
●いかに多くの人に情報を届けるか
 という視点でマーケティング戦略を策定していましたが、消費の多様化と技術の進歩により
 ●規格量産品では顧客は満足しなくなった
 ●模倣品・類似品がすぐに登場し、競争力のサイクルが短くなった
また、インターネットの普及と情報武装化の進展で
 ●生産者と消費者が直結し卸売りの中抜き現象が起こる
 ●顧客が情報武装化し、「刺激=反応モデル」に基づく広告がかつてのように効かなくなったこと等により、現代マーケティングの4Pは次のように変化しています。
●顧客のニーズに適合した商品を提供する
●顧客の求める価値に合った価格を設定する
●顧客のニーズにあった販売チャネルを提供する
●顧客のニーズに適合した情報を提供する

そしてマーケティング戦略は、プロダクトアウト(この商品を買ってくれるのは誰だ)という視点から、カストマーイン(この顧客の欲しい商品は何だ)という視点に変化しました。

そこで重要になるのが、TCPです。
● Target:売りたい人・買ってくれるであろう人を設定する。
● Position:ターゲットのニーズを基に、他商品との違いをハッキリさせる。
● Concept:他商品との違いとターゲットを踏まえ、わかりやすい商品の性格設定を行う。

   (研究会では、事例紹介やworkshopを交えて詳しく説明)

事例研究 .株式会社脇木工のマーケティング戦略
岡山県久米郡で、1950年7月に設立した家具・インテリア商品製造販売業者。
資本 金1000万円、従業員30人の小さな会社であるが、明快な経営ビジョンとマーケティング戦略のもとに、高収益を確保している。
●商品戦略 
 ターゲット: 20代の女性や新婚の若いカップル
 ニーズ把握:テストマーケティング
 コンセプト:若い女性の部屋の雰囲気を作る家具ブランドイメージの確立
●価格戦略
 価値重視の価格設定
 低コストで一定品質の商品à消費者に価値を提供
 値引きをしない-à適正な価格設定
●流通戦略
 古い体質の業界(卸)からの脱出
 独自の店舗展開-à明快な店舗コンセプト
●販促戦略
 パブリシティ
  岩立道子氏が雑誌に取り上げてくれた。
  休日に放映されるTBS系のバラエティ番組で放映
 東京にMOMO HOUSEのショールームを作る

2.中小企業のマーケティング戦略

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3.顧客マネジメントの2つの法則
パレートの法則とロングテールの法則
パレートの法則
 一般的に、ある特定の分野における売り上げは、上位の20%が全体の80%を占めるというに従っているとされている。
 今までのリアル店舗では、在庫の制限などで、この上位20%に当たる商品を多く揃えなければならず、その他(80%)は軽視されることが多かった。

ロングテールの法則
 バーチャル店舗では在庫や物流にかかるコストが従来の小売店と比べて遥かに少ないので、今まで見過ごされてきたこの80%をビジネス上に組み込むことが可能になり、そこからの売り上げを集積すると上位20%の商品(あるいは顧客)の売上より多くなるという。

パレートの法則に基づくマーケティング
 顧客の勾配を高くする=生涯価値の獲得=奥行きを深くする=顧客深耕
ロングテールの法則に基づくマーケティング
 ニッチの顧客を獲得する=間口を広げる=顧客開拓

4.中小企業のITマーケティング
 Webの活用により、低コストで「間口を広めつつ奥行きを深めるマーケティング」を展開する。

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上の図がITマーケティングの体系です。
 6月以降のマーケティング研究会はこの体系に沿ってテーマを絞り込み、出来る限り外部の専門家を招聘して掘り下げていく予定です。

 次回は、6月24日(水) ㈱ファーストブランド 河本 扶美子社長に同社の「Webマーケティング」についてご紹介頂き、「顧客の間口を広げるためのマーケティング」としてWebをどう活用するかを研究します。

投稿者 mtcambrs : 2009年5月29日 17:39
コメント

中川部会長のレポ-トにみるように、質量共に盛りだくさんの内容で濃密な2時間の勉強でした。中でもマーケティングを楽しく、理解させ、それを実務に反映するような工夫には関心させられました。たとえばポジショニングの設定の仕方を自己の心理的ターゲットの分類と関連づけて興味を持たせると共に、具体的な商品例示を挙げながらビジュアルなパワーポイントによる表現の仕方などです。これからもITマーケティングの体系について実践的な事例を取り込みながら、皆さんと共に相互啓発していければと感じています。

Posted by: 長谷 利男 : 2009年5月31日 23:02

マーケティング部会に入会しました。中川さんの四十数年にわたる経験と理論、それに近年のIT活用が加わってすごい研究発表でした。集大成という言葉がぴったりですが、まだまだ深化していっておられるようなのでまだ中間報告でしょう。とくに「ITマーケティングの体系」図はWeb活用を考えるときには手放せない図だと思います。この体系に沿って研究会が進められていくこと、楽しみにしています。

Posted by: 前田 正勝 : 2009年5月30日 16:16

変数は販売チャネル増強のみだった損保・生保営業時代からは正に隔世の感ある現代マーケティング!用語も学生時代と同じなれど中身は様変わり(当然?)。豊富な事例研究のお陰で、部会出席後、別の会合での課題を頭の中で自動的にコンセプト・ターゲット・ポジションに因数分解している自分自身を発見。中川部会長の何十年のご経験の一端を覗かせていただいたようで益々、今後が楽しみです。

Posted by: 井阪 博 : 2009年5月30日 15:36

5月27日、非会員かつ全くの門外漢ながら「マーケティング部会」に参加させて頂きました。今まで大学や書物でしか「マーケティング」という言葉に触れたことが無い私には、2時間まさに感動の連続。新たなプロジェクトを懐に、方向性も定まらず五里霧中状態でウロウロし疲労困憊していた丁度その時に、行く先を照らしてくれる松明とコンパス付きチャートを頂いた感があります。難解な理論も、必ず経験談や具体例を交えて分り易く説明してくださり、また貴重な資料を非常に分り易くまとめて惜しげもなく分けてくださったことにも、心から感謝致しております。中川先生と出会い、貴重な場に巡り合うきっかけをくださった井阪様、そして門外漢の私をあたたかく迎えてくださった中川先生をはじめ部会の皆様に心から感謝致します。今後とも宜しくお願い申し上げます。

Posted by: 本山 晶子 : 2009年5月30日 07:20
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