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なかちゃんの「南半球一周の船旅」
うろつ記・まごつ記・思いつ記
第22報 南の楽園タヒチ
かつて画家ゴーギャンが魅せられたという、「南洋の楽園」タヒチ。
紀元前に、東南アジアから来航した人々が定住し、ポリネシア文化が栄えた。17世紀ごろからヨーロッパ人との接触がはじまり、18世紀からはイギリス、そして19世紀からはフランスの支配下に入った。1957年、それまでの「仏領オセアニア」が改名して「仏領ポリネシア」となった。
広大な太平洋に118の島々が散らばり、5つの諸島となって現在の「仏領ポリネシア」を形作っている。
その群島の中で最も面積が大きく、経済の中心となっているのが仏領ポリネシア唯一の都会・パペーテのあるタヒチ島だ。
4月3日、トパーズ号はパペーテに入港した。
港では大型フェリーが行き交い、海岸沿いの大通りは近代的なショッピングセンターなどが建ち並び発達した文化をのぞかせていた。
現地の人々の集うマルシェ(市場)は活気に溢れ、「南洋の楽園」というイメージには程遠かった。
観光ガイドには、タヒチに住む人々を描いた絵が展示されている「ゴーギャン博物館」、山側の道路沿いの岩にあいた穴を「ブォー」と大きな音を発して風が吹きぬけていくという「アラホラの潮吹き穴」などが、パペーテの見所として紹介されていたが、カメラの被写体としては甚だ面白くない。
南国の雄大な自然に触れることができるカメラポイントを求めて、モーレア島の先にある「モトウ」という無人島へ行くことにした。
パペーテから高速フェリーに乗る。
船上から見たモーレア島は、切り立った細長い山がいくつもあった。数百万年も前、この島は海底火山の大噴火で生まれ、その後もずっと自然の大きな手で磨かれ続けて今の姿となった。ゴーギャンは「古城のようだ」と評したという。
30分ほどでモーレア島の港へついた。ここでバスに乗り換えた。
バスは海岸沿いのゆるやかな坂道を登っていった。見下ろせば濃紺と薄緑と白波が曲線を描き、尖がり屋根の水上コテージが並ぶこれぞタヒチという風景だった。ここでドライバーはカメラストップしてくれた。観光で成り立っている島だけにサービス精神は旺盛だ。
モーレア島の水上コテージ

およそ40分くらいで港の反対側の小さな入り江についた。ここでモーターボートに乗り換えて「モトウ」へ向かう。
直行すれば10分くらいだが、途中の景色の良いところを迂回しながら、ゆっくりとシャッターチャンスを作ってくれた。
島の付近ではカイトサーフィンに興じる若者たちがいた。
カイトに吹き付ける風を利用して水上スキーのように水面を疾走するスポーツだ。
カイトにつながる4本のロープを巧みに操って高くジャンプしたり、方向をかえたりする。ボートが近づくと一段と高く舞い上がり、空中回転をして我々の眼を楽しませてくれた。
カイトサーフィン

パペーテを出てから2時間近くかかったが、そのプロセスそのものが遊びであり、私にとっては撮影会であった。
「モトウ」にはレストランもない。更衣室もない。勿論シャワーもない。全くの無人島だった。昼食はボートの船長がモーレア島から持参した魚や肉を現地で手作りした料理とよく冷えたタヒチビール。デザートのパイナップルは芯まで柔らかくて甘かった。
透明度の高いきらめく海でサンゴ礁をながめたり、熱帯魚とともに泳いだり・・・・、そんな絵に描いたような南国の無人島。手付かずの自然の中でのんびりとした贅沢な時間だった。
モトウのビーチ

(4/5 中川嘉夫記)
【参考】
国際交流NGO・ピースボート 公式HP
http://www.peaceboat.org/index_j.html
第60回地球一周の船旅レポート
http://www.peaceboat.org/cruise/60th/index.html