2008年3月31日

南半球一周の船旅21 イースター島

なかちゃんの「南半球一周の船旅」
うろつ記・まごつ記・思いつ記

第21報 謎多き島・イースター島

南米チリから3800Km、タヒチから4000Km、南太平洋にぽっかり浮かぶ「絶海の孤島」イースター島。
人口は3,800人。面積は佐渡島のおよそ1/3。市場もひとつ、教会もひとつのこの小さな島を、住民は「大いなる大地」という意味をこめて「ラパ・ヌイ」と呼ぶ。
オランダの提督ヤコブ・ロッグフェーンが西洋人として始めてこの島を発見したのが1722年の復活祭(イースター)の日だったことから英語でイースター島と名づけられた。
この島には港がないため、トパーズ号からは島の住民が普段漁船として使っている6~8人乗りのモーターボートで上陸することになったが、船は僅か7隻しかない。
往復10~16分だが930人を1日で上陸させるのは無理なので、2日に分けて上陸することになった。他の観光地と違ってすんなりと上陸できないところが、いやが上にも「謎多き島」への上陸という期待感を高めてくれる。
この島を有名にしたのは言うまでもなくモアイ像だ。島には小は1m強から大は22mまで、約900体ものモアイ像があるそうだ。島民の主な収入源はモアイを売り物にした観光だという。
だから上陸するまでは、モアイ以外は見るべきものは何もない不毛の地だと思っていたのだが、実際にみたイースター島は、紺碧というか群青というか、時には光線の加減で紫にも見える海と、打ち寄せる波、砕け散る波の輝くような白との見事なコントラストを描くオロンゴ岬や、青空と白い雲を映し湿原のようにも見えるラノ・カウ火山のカルデラ湖、野生の馬が遊ぶ広大な平野、緑一杯のユーカリの林など、手付かずの自然に満ちあふれて 期待以上の美しさを持っていた。
この島の住民は、我々日本人にはかなり好意をもっているという。
モアイ像が15体並ぶ「アフ・トンガリキ」はイースター島観光の中心となる場所だが、1960年のチリ沖地震による大津波が襲いアフ(モアイが立つ祭壇)を組んでいた石などが流出し、周囲は廃墟のようになってしまった。
この修復に協力したのが、日本の大手クレーン会社の「タダノ」だった。
1992年、チリと日本の合同プロジェクトが組まれ、約3年の歳月をかけてアフを復元し、15体のモアイを立てることに成功した。
1970年には、モアイが大阪万博に展示された。アフ・トンガリキにはそのモアイが1体だけぽつんと立っていた。
「こうした事がイースター島住民をして日本人に好意をよせる原因になっているのです」という現地ガイドの説明を嬉しく聞いた。
アフ・トンガリキの15体のモアイ像が見つめる方向に「ラノ・ララク」という古い火山があった。全てのモアイはこの岩山から切り出されたという。
ここには岩から切り出す途中のモアイや、完成したまま放置され、半身埋まったままのモアイが多数残っていた。
ラノ・ララク山の上から海のほうみるとアフ・トンガリキの15体のモアイが海を背にして並んでいる感動的な風景が見えた。

ラノ・ララク山からみたアフ・トンガリキ

「正座するモアイ」もあった。
正座する習慣というのは世界でもめずらしい。日本文化の多くは朝鮮半島から伝わったものだとされるが、例えば韓国に正座の習慣はなく近隣アジアでも見かけることはない。このことから、「日本とラパヌイの祖先は同じ」という説もあるそうだ。
そういえば、上陸の前日にみたイースター島の紹介ビデオでは、「あやとり」というラパヌイダンスのシーンがあったが、このシーンは日本の「あやとり」とそっくりだった。
島の最北端に「アナケナビーチ」という、イースター島唯一の白砂のビーチがあった。白砂の入り江とココヤシの林と7体のモアイ像。まるで絵に描いたように配置されていた。ここにある帽子をかぶったモアイの後ろ姿をよく見ると「ふんどし」をつけていた。
日本から1万キロ以上も離れた南海の孤島で「あやとり」が伝えられ、「正座」や「ふんどし」のモアイ像が見られたのは、やはり何かの縁があるのだろうか。

正座するモアイ

この島には「鳥人儀礼」という伝説がある。
2つの部族間の抗争から始まったモアイ倒しによってモアイ信仰が終焉を迎え、マケマケ信仰(鳥人儀礼)が始まった。1年間の王(マケマケ神が化身した姿であるタンガタ・マヌ、鳥人)を選ぶ行事へとなっていった。
部族の戦士が1名の部下を選び、オロンゴ岬から沖合の島(モツ・ニュイ)にグンカン鳥の卵を取りに行かせた。1番早く持ってきた部下の上官である戦士が次の1年間、王(鳥人)としてすべての実権を握ることができた。
オロンゴ岬の小高い丘の上には、鳥人や神の姿を描いた岩絵がきっきりと残る住居跡があった。

鳥人儀礼の島(モツ・ニュイ)

(3/27 中川嘉夫記)

【参考】
国際交流NGO・ピースボート 公式HP
http://www.peaceboat.org/index_j.html
第60回地球一周の船旅レポート
http://www.peaceboat.org/cruise/60th/index.html

投稿者 mtcambrs : 2008年3月31日 16:30
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