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なかちゃんの「南半球一周の船旅」
うろつ記・まごつ記・思いつ記
第19報 南極からチリへ
「2時間で四季を見ることが出来る」といわれるほど南極の気候は変わりやいという、その言葉を裏づけるように、3月10日の朝は前日の晴天とは打って変わった吹雪だった。
トパーズ号は氷河の多い海路を遊覧する予定を変更して、もと来た海路へ戻ってウシュアイアへ向かった。10日の夜から魔のドレーク海峡へ入ったのだろうか船は大きく揺れだした。後で聞いた話だが、ベッドから転落して肋骨を折った人がいたようだ。11日も終日揺れていた。12日の午後1時頃アナウンスがあった。「まもなくホーン岬がみえます」。デッキへ出てみると霧の中に岬らしきものが霞んでみえた。
13日、ウシュアイアからビーグル水道へはいり、漸く穏やかな航海にもどった。
氷河が岩壁をそぎ落としながら溶け、緑青色の水をたたえたフィヨルド。迷路のように複雑に入り組んだ地の果ての海は、この海道専門のパイロットを乗せないと迷宮入りしてしまう。
国境近くの街・プエルトウイリアムスでチリの水先案内人を乗せたトパース号は氷河を求めてフィヨルドをゆっくりと進む。
右岸に見ごたえのある景観がつづいた。切り立った山々、頂には青白く氷河が光る。この水道で最も大きいイタリア氷河もみた。その上を通って吹き付ける突風は、身を切るような冷たさでデッキに立つ人々を震え上がらせていた。
イタリア氷河

14日朝、ビーグル水道から分岐してガブリエル水道へ入った。午前7時すぎ東の空と海が真っ赤に染まった。今までに出会ったことのない 感動的な朝焼けだった。
ガブリエル水道の朝焼け

朝焼けの写真撮影の興奮が冷めるまもなくブリッジよりアナウンスがあった。
「まもなくこの水道で最も狭いところにはいります。幅は約320mです」。
船首デッキへ急ぐ。しかし、先端の手摺に入り込む余地はすでになかった。やむなく人垣の後ろで背伸びしながらカメラを構えたが、両岸をいれようとするとどうしても人の頭がはいってしまう。
四苦八苦しているうちに少しずつ前に進んでいた。最前列の人は氷河おろしの冷え切った向かい風をまともに受けるため5分と立っておれないのだ。漸く絶好のカメラポジションに立ち30枚位撮ったところで後ろの人と交代した。
最も狭い水道

(3/14 中川嘉夫記)
【参考】
国際交流NGO・ピースボート 公式HP
http://www.peaceboat.org/index_j.html
第60回地球一周の船旅レポート
http://www.peaceboat.org/cruise/60th/index.html