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なかちゃんの「南半球一周の船旅」
うろつ記・まごつ記・思いつ記
第11報 南アフリカ共和国(2/6~11)
東側にはインド洋、西側に大西洋が広がり、広大な大自然の宝庫アフリカ大陸の最南端に位置する南アフリカ。ケープタウンを中心に、沿岸部にはいくつもの見どころや観光地が続く。内陸部には、クルーガー国立公園を筆頭に数多くの国立公園や自然保護区など、大自然の美しさを各地に残しつつ、ダイヤや金の発見によりゴールドラッシュ、ダイヤモンドラッシュが沸き起こり、経済的にもアフリカ大陸最大の国となった。
実際に南アフリカの都市を訪れてみると、近代的な工場、モダンなマーケット、素晴らしい高速道路、超高層ビルなど、その発展ぶりは目を見張るものだった。
南アフリカがここまで発展したのも、アパルトヘイト(人種隔離政策)という、白人による国の中枢支配により、早いうちから歴史の表舞台に登場し、アフリカとも、ヨーロッパとも違う独自の文化を育んできたからだと思う。
1994年、そのアパルトヘイトが崩壊したとき、ネルソン・マンデラは自らの大統領就任演説で「南アフリカは多民族が共生する虹の国になる」と宣言した。
この新しく希望に満ちた国の誕生を、それまであらゆる権利を奪われていた黒人たちだけでなく、世界中が歓迎した。
それから14年たった今、「虹の国」はどうなったのだろうか。
リチャーズベイから乗船された水先案内人・福島康真さんによれば、近代的なマーケットで買い物をするのは、観光客や一部の富裕層であり、その裏通りには貧しい黒人の利用する昔ながらの市場があるという。
この14年の間に、GDP(実質国内総生産)は、すさまじい伸びを示したものの、貧富の差はますます広がった。
建設現場の労働者の賃金は時給80円、一流企業の上位10人の時給は96千円。
毎日、約900人がエイズによって死亡し平均寿命は44歳。48%の失業率、人口のおよそ半数は1日2ドル以下で生活しているという現実。
希望に満ちた「虹の国」になるはずだった南アフリカは、アフリカ随一の先進国となった今も、多くの問題に直面しているようだ。
(1)リチャーズベイ
2月6日5時、リチャーズベイ港に入ったトパーズ号を歓迎するかのように、昇りはじめた太陽が東の空を赤く染めていた。まだ明かりの点いた港の街路灯がまるで真珠を並べたように輝き、貨物港とは思えない美しい景観を創っていた。
この港の周辺は工場地帯だった。工場地帯といっても日本のように煙突が林立しているわけではない。見渡すかぎり低い潅木が生茂る荒野の中に、世界最大級という製紙工場やアルミ精錬工場などが点在していた。
紙の原料となるパルプは、横に枝がはらずに上へ上へと伸びるように遺伝子を組換えた苗をオーストラリアから移植したそうだ。(木の名前を聞いたがわからなかった)
太さ15cm位、高さは10mはあろうか、竹のように細長く上にのびた木が、両手を広げた位の間隔で整然と植えられていた。こんな樹林がどこまでも続く。
この地方のもう1つの産業は砂糖だ。遺伝子組換樹林が途絶えると、高速道路の両側のなだらかな丘陵地帯にサトウキビ畑がひろがる。時速100キロでおよそ20分、まだサトウキビ畑がつづいていた。

朝日に染まるリチャーズベイ港
(2)ダーバン
インド洋に面した美しい港町ダーバンは、ヨハネスブルク、ケープタウンについで南アフリカで3番目に大きな都市だ。といってもビーチからビジネス街まではわずか2km、そのビジネス街から歩いていけるところにゴルフ場があるというこじんまりした街だ。
ここは南アフリカ有数のリゾート地でもあり、ヨットやサーフィン、ダイビングのメッカとしても知られている。
観光客が多く集まるのは、ビーチフロントといわれるエリア。
その中心は、市街から近いノース・ビーチからサウス・ビーチにかけた一帯だ。
海岸線と平行して走るマリン・パレードがメインストリートで、この通りをはさんで市街側には高層リゾートホテルが建ち並び、スネーク・パークなどのアトラクション施設やファストフード店がならんでいる。
私の泊まったホテルは西側がビジネス街、東側がビーチで全室オーシャンビューという好立地だ。30階に街全体が見渡せる展望室があり、ここから見た夜景は、白熱灯一色のシンプルな光であり、ネオンサインのきらびやかな夜景をみなれた目には、新鮮な美しさであった。
朝、目覚めると部屋から日の出間近の赤い空が見えた。その光を浴びて大勢のサーファーが波乗りに興じていた。

ダーバンのビーチで
(3)ケープタウン
17世紀半ば、オランダが自国船のための補給基地を建設し、ヨーロッパ人による植民地支配の「第一歩」となったケープタウン。
山頂をナイフで切り取ったような平らなテーブルマウンティンを背景に、世界有数の美港としても有名だ。ケープ州の首都であり、南アフリカ共和国の立法上の首都でもあるこの町はテーブルマウンティンのゆるやかな裾野にひろがり、入り組んだ海岸線とうまく調和していた。

ケープタウン港
(2/16 中川嘉夫記)
【参考】
国際交流NGO・ピースボート 公式HP
http://www.peaceboat.org/index_j.html
第60回地球一周の船旅レポート
http://www.peaceboat.org/cruise/60th/index.html